暖簾(のれん)を設置するとどんな効果がある?| 日本ならではの由来や魅力もご紹介
日本で古くから活用されてきた「のれん」。現在でもさまざまな場所で使われていますが、設置することで一体どんな効果を得られるのでしょうか?本記事ではのれんの効果だけでなく、由来や魅力についても深堀りします。のれんのある暮らしに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
のれん(暖簾)とは?
のれんといえば銭湯や旅館の入り口、舞台の楽屋などで目にする方も多いかもしれませんが、具体的にどんなものかご存知でしょうか?のれんの基礎知識として、まずは由来について押さえておきましょう。
のれんの由来
のれんとは、店の入り口や室内に吊り下げる布のことを意味します。日差し除けや風除け、目隠し、看板などさまざまな使い道のあるアイテムです。
のれんの由来に関しては、諸説あります。例えば、中国の禅寺で使われていた簾(すだれ)を起源とする説です。
禅寺では、夏に使うすだれを涼簾(りょうれん)、すだれに布を張って寒気に使用するものは暖簾(のうれん)と呼んでおり、「のうれん」が変化して「のれん」になったといわれています。「のうれん」の主な役割は、日差し除けや風除けなどでした。
鎌倉時代頃からのれんに文様が入るようになり、メッセージの役割が加わったことで、日本独自の進化を遂げることになります。江戸時代になると庶民の識字率が高まり、店の看板や広告としてのれんが広く使われるようになったといわれています。
日本が誇るのれんの魅力とは?
のれんは、日本で長い年月をかけて広く普及し、独自の進化を遂げてきました。それは、のれんならではの魅力があるからといえるでしょう。
空間をゆるく仕切る
のれんを設置することで空間に仕切りを作れますが、決して明確な境界線が生まれる訳ではありません。やわらかい布を素材としているため、のれんの向こう側を覗くことも、中に入ることも容易です。曖昧さや和、連続性を大事にする実に日本らしい考え方が表れています。
のれんの魅力は、空間を緩やかに仕切ることで圧迫感が少なくなる点です。住居において、のれんは部屋と部屋の程よい仕切りとなり、ドアを設置する場合よりも狭苦しさを感じにくくなるでしょう。
気軽に模様替えできる
簡単に模様替えができるところも、のれんの魅力です。設置方法や設置に必要な道具といった面で制限があるドアやカーテンに比べると、気軽に取り付けや取り外しができます。
のれん掛けや突っ張り棒を使えば簡単に設置でき、窓際に設置する場合はカーテンレールを活用することも可能です。
のれんの素材や色柄の種類は非常に多く、インテリアに合ったデザインを選べる点も魅力です。気分転換に模様替えをしたり、季節を象徴するデザインに取り替えたりして、のれんのある暮らしを楽しみましょう。
のれんの効果や使い道
のれんに期待できる効果や使い道は非常に多岐に渡り、現在でもさまざまな場所で使われています。のれんを上手に使いこなすために、期待できる効果について理解を深めましょう。
日差しや風を和らげる効果
のれんに期待できる基本の効果として、日除けや風除けが挙げられます。日除け効果を狙う場合、西日の当たる玄関や部屋の入り口など人の出入りが多い場所への設置がおすすめです。
また、部屋の中でエアコンの風が逃げないようにする効果を期待するなら、厚手で長い丈ののれんを選びましょう。部屋と廊下の間などに設置すると、出入りのしやすさを確保しながら空気を程よく遮断してくれます。
目隠し効果
のれんには程よい目隠し効果があり、住まいや店舗などのさまざまな場所で活用できます。自宅で目隠し効果を狙う場合、キッチンや洗面所の収納スペースなど来客時に見られたくない場所におすすめです。
キッチンには外から透けて見えるレースタイプ、収納場所は外から見えにくい厚手でサイズの大きいタイプにするなど、必要に応じてサイズや素材を変えて設置するとよいでしょう。
店舗では、入り口ドアを開けた状態で店内の目隠しができます。また、店舗兼住居では、店と奥の住居部分の間に使うと生活スペースを上手に目隠しできます。
仕切り効果
のれんには、連続している空間を違和感なく仕切る効果を期待できます。のれんは圧迫感の少ない仕切りであるため、コンパクトな日本の住居にぴったりです。
リビングとダイニングの間や、ワークスペースとリビングの間などに設置すると、開放感を確保しながら生活スペースを仕切れるため、暮らしにメリハリをつけられるでしょう。
装飾効果
のれんはデザインが豊富にあり、室内や建物の印象に効果を与えます。店のイメージに合ったものを選ぶと好印象を与え、住まいのインテリアにマッチするデザインにすれば統一感が出て心地よい空間が生まれるでしょう。
のれんを住まいに設置するときは、部屋に溶け込ませたいのかアクセントにしたいのかで選び方が変わります。前者の場合は周囲の色に近いシンプルなタイプ、後者の場合はアートのような柄のタイプを選ぶのがおすすめです。
進化する現代ののれん
のれんは日本の歴史あるアイテムのひとつですが、伝統に固執せず現代の暮らしに合うように進化し続けています。
現代の暮らしにマッチするモダンのれん
のれんといえば、文字入りのものや伝統的な和柄をイメージするかもしれませんが、昨今は室内に合うモダンなデザインも増えています。スッキリとした無地やシックな色、シンプルな北欧テイストの柄、シャープなストライプ柄などが人気です。
現代の暮らしに取り入れやすいデザインが多いため、和室がない住まいの方でもインテリアにマッチするのれんを選べるでしょう。
さまざまな素材で作られるタペストリー風のれん
現代ののれんに使われる素材は、綿や麻、帆布、ビーズ、ひも、ビニールなど実にさまざまです。選び方によって、機能だけでなく装飾的な効果も異なり、室内でタペストリーのように楽しむこともできます。
遮熱効果×UVカット効果つきインテリアのれん
遮熱のれん〈エコクール®〉は、暑さ対策におすすめののれんです。クラレトレーディング独自の素材である十字断面の〈スペースマスター®〉UV糸を一部使用することで、遮熱効果とUV効果が期待できます。窓のカーテンレールに設置すると、太陽の熱や紫外線を防ぐのに役立つでしょう。
また、光沢のない太糸を使って重量感のある生地に仕上げており、落ち着いた印象を与えます。シンプルなため、現代の洋風スタイルの部屋や和モダンインテリアとも相性がよいでしょう。
設置方法は簡単で、市販の突っ張り棒やS字フックなどで取り付けられます。レース生地にはマス目のカット線があり、ハサミで簡単にサイズ調整できるのも便利です。設置したい場所に合わせて、必要な長さにカスタマイズして使ってみましょう。
まとめ:のれんの効果を知って暮らしに取り入れてみよう
昔から様々なシーンで見かけるのれんは、日本で広く普及し、長い時間をかけて多様な役割を担うようになりました。現在も進化を続け、店舗や住まいなどさまざまな場所で使われているのは、のれんに独自の魅力が備わっているからといえるでしょう。
本記事を参考に、のれんの由来や魅力、効果について理解を深めてお気に入りの1枚を見つけて暮らしに取り入れてみてください。